こんにちは。ジョバ・サラリマヌスです。
先日、「amazon 世界最先端の戦略が分かる」を読みました。
「まるでローマ帝国のような企業だ」と評されるアマゾンについて、
その圧倒的な強さを描いております。
●「1兆ドル」へ駆け上るアマゾンの意外な素顔
https://toyokeizai.net/articles/-/233790
ローマ帝国のように勢力を広げていく、
一見、何の事業会社か説明が難しいアマゾンは、ベゾスの理想をまさに体現しているといえよう。
①著者
成毛眞さん。元マイクロソフト日本法人の社長だった人です。
アマゾンという巨大IT企業が題材である本書の著者として、これ以上にない経歴を持っている人でしょう。
②概要
キャッチコピー「世界最先端の戦略がわかる」に相応しく、
色々な切り口からアマゾンの圧倒的な強さを描いています。
ビジネスモデル、キャッシュフロー経営、プライム会員、M&A戦略、テクノロジー(AI・ドローン)など。
その中で、アマゾンは「ローマ帝国のようだ」と触れる箇所は、本文中に何回も出てきます。
一言で言うと「物流網の整備とゆるやかな統治」という点でしょうか。
③物流網の整備
「ベゾスは事業を伸ばすというより、兵站戦の充実に力を注ぐことで巨大な経済圏を構築してきたのだ。」(本文引用)
本文中に出てくる楽天とのビジネスモデルの比較が面白かったです。
楽天は「楽天市場」に出店した企業からの手数料を中心に稼いでいるのに対して、
あくまでもアマゾンの中心は、自社で仕入れた商品の販売なんです。自分で在庫を持ち、流通を管理しているんですね。
この違いがどういう効果となってくるのかは・・・本書を読んでみてください。
確かに「ローマ軍は兵站で勝つ」「すべての道はローマに通ず」という格言があるほどに、
ローマ帝国は、ロジスティクスを重視していました。
私は、単純に楽天は「日本のアマゾン版」だと思っていたのですが、全く違ってましたね。
実はベゾス自身も「アマゾンはロジスティクス企業だ」と言っているそうです。
④ゆるやかな統治
「ベゾスが求めるのは、協調などするよりは個のアイデアが優先される組織である。」(本文引用)
結構、意外でした。
アマゾンは、冷徹・非情なベゾスがトップダウンで経営する企業というイメージでした。
※実際、ベゾスは「情け容赦ない」を意味する「Relentless」という単語が好きなようです。
(ちなみにrelentless.comで検索すると、アマゾンが出てきます。)
ベゾス自身が強烈な個性を持つが故に、逆に個のアイデアを尊重する組織文化が醸成されたのでしょうか。
まあ、今やアマゾンは書籍のECサイトからAWSなどのクラウドサービスまでビジネスの領域が多岐に渡っていますからね。
自然と各事業が独立性を持たざるを得ないのかもしれません。
これまた、「分割し統治せよ」を基本方針としたローマ帝国と重なる部分がありますね。
余談ながら
90年代のトヨタもローマ帝国と自社の歴史を比較してたらしいですね。
そう、「トヨタの敵はトヨタ」とか自分で言ってた時代です。
1人のローマ帝国ファンとしては悲しいのですが、
「ローマ帝国みたいだ」って言われたり、言い出した組織って絶頂期なことが多い気がします。
さてさてアマゾンは今後どうなるのでしょうか。
今後が楽しみです。
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