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倜儻不羈(てきとうふき)とは?心に秘めておきたい江戸期の言葉。

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こんにちは。サラリマヌス(@SALARIMANUS)です。

「倜儻不羈(てきとうふき)」という言葉を知っていますか?

この言葉、サラリーマン業で心が折れそうな時に元気をくれそうなので、当記事でご紹介したいと思います。

例によって、作家・司馬遼太郎の作品を引用しながら書いていきます。

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倜儻不羈(てきとうふき)とは?

作家の司馬遼太郎によれば、倜儻不羈(てきとうふき)の意味は下記の通りです。

ある種の独創家、独志の人、あるいは独立性のつよい奇骨といった人格をさす。
引用元:「この国のかたち 1」 / 司馬遼太郎

元は漢語なのですが、江戸時代の人々の間では、普通に使用されていた言葉だそうです。

こういう概念を表す言葉が流通していた辺り、江戸時代の豊かさを感じますね。

幕末という時代の過渡期に、綺羅星の如く個性ある人物が出てきたのも、頷けます。

ちなみに、倜儻不羈(てきとうふき)という四字熟語を構成している漢字の意味は下記の通りです。中々見かけない漢字ですよね(笑)

倜は”すぐれていて、拘束されないさま”で、儻は”志が大きくてぬきんでている”こと、羈は、”馬を制御するたづな”、不羈は”拘束されない”ということ
引用元:「この国のかたち 1」 / 司馬遼太郎

大隈重信と早稲田大学と倜儻不羈(てきとうふき)

倜儻不羈(てきとうふき)を使った大隈重信の文章が残っています。

こちらも、司馬遼太郎の本から引用します。

一藩の人物を悉く同一の模型に入れ、為めに倜儻不羈の気象を亡失せしめたり。
引用元:「この国のかたち 1」 / 司馬遼太郎

上記の言葉は、肥前佐賀藩(大隈重信の出身藩)の藩風を批判した時の文章です。

ちなみに、肥前佐賀藩は、強烈な縦社会&ガリ勉主義(定期的な試験で落第すれば、給料0に)という、日系企業を煮詰めたような藩風だったそうです。

後に、大隈重信は早稲田大学(今や同大学は「自由と多様性」の鬼みたいな校風ですね笑)を創設するわけですが、間違いなく肥前佐賀藩への反発が原点にあったと言われています。

それにしても「一藩」の箇所を「会社」に置き換えても、違和感がないのが恐ろしいです(笑)

倜儻不羈(てきとうふき)のもう一つの意味

どうですか?倜儻不羈(てきとうふき)って、元気の出る言葉じゃないですか?

ただし使用には注意が必要です。

倜儻不羈(てきとうふき)さをサラリーマン業で発揮するのは待ちましょう。

またまた、司馬遼太郎の本から引用します。

倜儻不羈の場合、世渡りからみればおろかともいえる。
引用元:「この国のかたち 1」 / 司馬遼太郎

つまり、倜儻不羈という言葉は「独創家、独志の人、あるいは独立性のつよい人」という意味を指しながら、「世渡り下手」というニュアンスでも使われるってことですね。。。

残念ながら、いつの時代も「事なかれ主義」が幅を利かせていたということです。

ただし、幸運にも現代はテクノロジーの発達により、個人単位での活動がしやすい時代です。

もがいていれば、倜儻不羈(てきとうふき)を発揮した生き方を実現できるかもしれません。

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まとめ

以上、倜儻不羈(てきとうふき)という言葉の紹介でした。

サラリーマン業としては「事なかれ主義」が最適な戦略かもしれませんが、せめて内なる心には倜儻不羈(てきとうふき)を秘めていたいものです。

僕も、自分で出来る範囲からコツコツと頑張りたいと思います。

ちなみにググってみると、倜儻不羈(てきとうふき)という言葉は新島襄(同志社大学の創設者)の言葉としての方が有名みたいですね。

下記は同志社大学のHPからの引用ですが、なんと!同校の教育理念になってました。

同志社においては倜儻不羈なる書生を圧束せず務めて其の本性に従ひ之を順導する可し。 引用元:同志社のあゆみ

新島襄と言えば、大河ドラマ「八重の桜」の主人公の1人として出てましたよね。

ちょっと興味ありますので、また別の機会にでも調べてみたいと思います。

なお、当記事の引用部分は、作家・司馬遼太郎による歴史随想「この国のかたち」1巻の「14 江戸期の多様さ」「17 土佐の場合」に収録されています。ご興味あれば、手に取って頂ければと思います。

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