舞台は西暦2112年の日本。人々はシステムにより管理され、表向き「最大多数の最大幸福」を享受していたが、まだ陰謀や犯罪は無くなりはしていない世界。
『踊る大捜査線』の本広克行が描く、異色のSF警察アニメ『PSYCHO-PASS(サイコパス)』のレビューです。
一言レビュー:テクノロジー社会における正義とは何かを考えさせられる。でも描写が過激なのがちょっとマイナス笑
個人的な満足度 :8/10
労働をしたくなる度 :0/10
辞表を出したくなる度 :8/10
あらすじ
システムによる適正判定により、主人公は公安局刑事課への就職が決まるが、主人公は刑事事件と向き合う中で、数字や論理では説明できないシステム管理された社会の矛盾と秘密に気付くことになる。
本作は人気ドラマ&映画『踊る大捜査線』シリーズで名を馳せた本広克行が企画構想、監督を務めています。しかも『攻殻機動隊SAC』シリーズのProduction I.Gが制作です。
警察エンタメとして、想像し得る最良のタッグの1つかもしれません。
『踊る大捜査線』シリーズの本広監督が描く警察群像劇
『踊る大捜査線』シリーズと言えば、「事件は会議室で起きてんじゃない。現場で起きてるんだ。」の名言に代表されるとおり、日本の組織における問題点(キャリアVS現場の対立など)を描写することが多かったと思います。
多くのサラリーマンにとって、どことなく普段の会社生活を連想させる仕上がりとなっており、単なる刑事もののドラマにとどまらない面白さが『踊る大捜査線』シリーズにはあったと思います。
本作にも、そういった本広イズムは継承されており、「近未来になっても官僚社会の無謬性に悩まされる日本組織」という面白さがありました。
Production I.G制作の近未来SF作品
Production I.Gと言えば、僕は『攻殻機動隊SAC』を思い出します。
同じく近未来SFである『攻殻機動隊SAC』は、その緻密な世界観の構築には魅かれずにはいられないもの(ひたすらWikiとか考察サイトを見れる感じ笑)がありましたが、本作もまた同様の魅力がありました。
ちなみに『攻殻機動隊SAC』の世界は2030年とかなんで、『PSYCHO-PASS(サイコパス)』の世界の方がめっちゃ未来ですね。
また『攻殻機動隊SAC』は同じくProduction I.G制作の『東のエデン』と同じ時間軸である設定に驚きましたが、『PSYCHO-PASS(サイコパス)』とは特に繋がりがないようです。
ところで、『攻殻機動隊SAC』の神山監督が『PSYCHO-PASS(サイコパス)』の世界観でアニメを作ったら面白そうですね(笑)
出し惜しみしないスピード感
本作の特徴として「出し惜しみしないスピード感」が挙げられると思います。
1話完結の回を挟まず、第1話からノンストップで物語が展開していき、伏線を長引かせず、魅力的なキャラクターも出し惜しみなく退場させていきます。
シーズンごとに出し切る内容は、むしろ海外ドラマに近い構成があります。
まとめ
本作は見てると法哲学の授業を思い出して懐かしかったです。
正義とは何か?をひたすら突き詰める講義で面白かったのですが、不良学生だったのであんまり予習・復習してませんでした。
もう少し真面目に勉強していれば本作を更に楽しく見れたかもしれません。悔やまれます(笑)
時間があったら、マイケル・サンデル教授の白熱教室でも読んでみようかと思います。
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各シリーズのレビュー
第1期レビュー
功利主義テーマだと理解しました。深くは知らないですけど(笑)
シビュラシステムによる統治は、劇中でも「最大多数の最大幸福」という言葉が何度も出てきており、ベンサムの量的功利主義を体現しているように思えました。
一方で、第1期の敵役である槙島聖護は「人間の意思による魂の輝き」を主張しシビュラシステムによる統治にNOを突きつけています。
こちらは劇中には出てきませんでしたが、「満足な豚よりも不満足なソクラテスでありたい」としたミルの質的功利主義を体現していたのかなと思いました。
AI社会の台頭が標榜される中で、改めて哲学が注目される理由が何となく分かりました(笑)
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第2期レビュー
「個人としては善意ではあるけれど、集団としては悪意となる行為は裁かれるべきか」というのがテーマだと理解しました。
哲学的に何か言葉があるかもしれないけど、分からないです(笑)
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劇場版レビュー
「政治形態の啓蒙は正義なのか」がテーマだと理解しました。
第二期に引き続き、正しい用語があるのかもしれませんが、勉強不足です。
米国の西部開拓時代のマニフェスト・デスティニーとかそういう話を思い出しました。ああ、懐かしい(笑)
ちなみに、劇場版サイコパスはFOD独占コンテンツらしく、僕は下記の31日間無料体験で見ることにしました。
最後まで読んで頂いた方、ありがとうございます。
ゆっくり急げ(アウグストゥス:初代ローマ皇帝)
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