こんにちは。サラリマヌス(@SALARIMANUS)です。
「少子高齢化に伴う人口減少で日本は衰退する」というフレーズを聞いたことがあるかと思います。(つい友人とのお酒の席で気が大きくなってしまい)僕なんかも、日本の先行きを憂うときなど、何も考えずにこのフレーズを使っておりました。もはや決まり文句のように使われるこのフレーズではあるのですが、よく考えると「なぜ少子高齢化に伴う人口減少で日本は衰退するのか」全く考えたことはありませんでした。
本書は、半ば決まり文句になった「少子高齢化に伴う人口減少で日本は衰退する」のホントとウソを解説しています。
最近、僕は不動産のジャンルを勉強中なのですが、「少子高齢化に伴って人口が減るから空家が増える」みたいなことをよく聞くので、本書を読んでトピックの概要を知っておこうと思った次第です。
ちなみに、著者の髙橋 洋一氏は元大蔵省官僚というご経験もさることながら、統計、会計、英語、プログラミングと全方位的な知見を持っており、データに基づいた非常にフェアな意見を聞ける有識者として、僕は何かとフォローしています。
人口増減率と経済成長率は無相関
漠然と「人口が減少する分、比例してGDPも減るだろう」と思ってましたが、よく考えると人ごとに生産性が違いますもんね。(特にITの影響で、生産性の開きもかなり出てきたと思いますし。。)
最近の経済成長理論でも、人口増加は1人あたりの資本を減少させるので、貧困の原因とされている。
人口減少で困るのは地方自治体
人口減少で一番困る人は地方自治体の関係者になるという踏み込んだ主張。(どちらかと言うと、僕は都市部で育ったので地方自治体の実態はピンとこないのですが。。)しかし、今の自治体も最近できた単位なんですね。昔は安芸の国とか筑後の国とかだったりするわけですからね。しかし、自然集落の町単位で7万以上もの自治体が、3度の合併を経て1718まで減っていたとは驚きです。
日本では過去3回、自治体が合併した歴史がある。
髙橋先生はイデコ推しだった。
人口減少に伴う年金と社会保障というテーマから話題はイデコに。下記の引用にご自身で書いているとおり、たしかに髙橋先生は金融商品には懐疑的なスタンスを取っている印象が強いので、驚きました。まだ僕もイデコには加入してないので、検討を進めないといけないですね。
【イデコ(個人型確定拠出年金)のメリット】
- 積立金額すべてが所得控除の対象。(所得税・住民税が節税できる)
- 運用で得た定期預金利息や投資信託運用益は非課税。
- 受取時は公的年金等控除、退職所得控除の対象。
金融商品に対して辛口批評する筆者がおすすめできる数少ない商品が、このイデコである。税制の恩典があり、販売金融機関に支払う運営管理手数料が比較的安いからだ。
ここでも出た民間保険不要論。
イデコと同じく人口減少に伴う年金と社会保障というテーマから話題は民間保険に。最近、金融日記の藤沢所長も唱えておられる民間保険不要論ですね。たしかに会社に出入りしている保険の外交員の人件費って、僕たちが払う保険料から出てるわけですから、金融商品としての利回りはお察しという感じでしょうか。
筆者は民間保険なんかには絶対入らない。よくよく考えてみると、保険外交員に多額のマージン(よく分からない手数料)を抜かれているし、筆者自身にも一定の蓄えがある。わざわざ数理計算せずともトータルで考えれば入らない方が断然有利だ。
髙橋先生、ふるさと納税の設計にも関わっていた。
本当に全方位的なスペックをお持ちの方なんだな、と。信長の野望とかの能力値パラメータで全部100の人物ってこういう人だったんじゃないか。。
ふるさと納税なら、国民が自らの意思で寄付し、それに応じて税額控除を受けられるから再分配が進む。その方が、うまく自治体運営できる可能性が広がってくる。
マクロ的視点の使い方
本書の趣旨とは完全に逸れるのだけれど、本書で一番刺さったフレーズかもしれないです。何かと会社の仕事だとマクロ的な分析から企画に落とし込むことを求められるけれど、個人的な感覚としては絶対にそこには商売の種はないと思っていたからです。もちろんマクロ的視点を持つのは大事だけれど、あくまで大きな方向を誤らないとか誤った説明を見抜けるというのが本来の使い方だと理解しました。
ビジネスというのは、お客さんのニーズの半歩先をいくだけだ。
本書の学び・気づき
統計・データなどを根拠に物事を考える癖を付けたいです。(せめて、空論を言わないように気を付けねば。。)
最後まで読んで頂いた方、ありがとうございます。
ゆっくり急げ(アウグストゥス:初代ローマ皇帝)
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