「古代ローマのことを知ったところで役に立たないじゃないか?」という意見はよく聞きます。僕としては色々と反論したいところですが、説得力のある経験が一つあります。それは「大学受験に役立った」というものです。僕は独学で世界史の勉強をしていましたが、模試の偏差値は70を超えていました。しかも成績は安定していましたので、大学受験をする際は大きな戦力として活躍してくれました。今から振り返ってみると意識していたコツのようなものがあったと思います。という訳で、この記事では「古代ローマ世界を楽しみながら、世界史の偏差値が70超えにする方法。」をご紹介します。これから受験を控える学生の方や、そんな学生を子供に持つご両親にとって参考にして頂ければ幸いです。
世界史の流れを掴む上で、軸となる国を持つ。
世界史の勉強というと「カタカナを暗記するだけでつまらない」という話が出てきます。それはそのはずで、世界史という科目は数千年も前の時代から世界各地の国や重要人物の名前などを記憶していかなければなりません。そこでよく陥りがちなのが、時系列だったり因果関係が分からなくなってしまうパターンです。そうすると世界史は本当に苦行になります。意味の分からないカタカナをひたすら暗記するだけになるからです。そのため、僕が気を付けたことは、世界史の流れを掴む上で軸となる国を決めることでした。例えば、「中国の後漢の時代(紀元後25年~紀元後220年)は、古代ローマで言うと帝政時代(紀元前27年~紀元後476年)と同じ時代だ。」みたいな感じで、幹となる古代ローマ史をしっかりと覚えておくことで、世界史の中で迷子になることがありません。
古代ローマとヴェネツィア共和国の歴史を理解すると、18世紀までは世界史の流れがわかる。
現代で生活する僕たちからは想像しにくいかもしれませんが、大学受験の世界史で覚えることの大半は地中海を中心にストーリーが展開していきます。というのも、大航海時代以降に新航路が発見されるまでは、ヨーロッパとアジアを繋げる貿易の中心が地中海を中心に行われていたためです。そのため、古代は古代ローマ(紀元前753~紀元後476年)を中心に、中世はイタリア半島における都市国家の中心的存在であったヴェネツィア共和国(7世紀末~1797年)を中心に、ストーリーが進んでいきます。勉強するまで知らなかったのですが、イタリアはローマ帝国が滅亡した以降も、先進国であり続けたのです。ドイツの法学者イェーリングが言ったように「ローマは、三度世界を征服した。一度は武力で、次は法律で、三度目はキリスト教で。」というわけです。塩野七生さんの著作で言うと、文庫版『ローマ人の物語』の5巻までを読めば、古代ギリシアと古代ローマの歴史の概要を掴めますし、文庫版『海の都の物語』の全6巻を読めば、ヴェネツィア共和国の歴史の概要を掴めますので、18世紀までの世界史の流れを軸となる国の歴史を押さえることができるのです。
18世紀以降は、日本を軸に世界史の流れを理解できる。
「でも、18世紀以降はどうするの?」という話なんですが、18世紀以降は日本が世界史のストーリーに少しづつ合流してくるので、日本史を軸に世界史の流れを掴むことができます。もちろん、日本にも長い歴史があるわけですが、大学受験科目としての世界史の中では、やはり明治維新以降じゃないと国際社会に出てきません。近現代史は、高校の授業でも順番が最後だったり、そもそも近現代史に行きつくまでに世界史の勉強を挫折したりするためか、得点に大きな差が出てきます。せっかく日本を軸に覚えることができますので、別枠で勉強をしてしまうのも一つの手だと思います。
まとめ。
「世界史の流れを掴むための軸を持つ」という世界史の勉強法の良いところは、成績が安定するところです。しっかりと世界史の流れを理解できるため、全く覚えていない空白の部分がなくなるためです。よかったら、是非とも試してみてください。塩野七生さんの著作でも勿論いいですし、今は歴史系の漫画や映画も増えたと思いますので、そういったエンタメ作品と組み合わせることで、更に遊び感覚で世界史の勉強ができてしまう可能性も高いと思います。
最後まで読んで頂いた方、ありがとうございます。
ゆっくり急げ(アウグストゥス:初代ローマ皇帝)
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